今年何度となく訪れた松山。手帳を開いて振り返ってみると、23回も行っていた。大半が日帰りの出張だったので未だどんな街なのかよく分かっていないのだけれど、4回ほど宿泊するチャンスがあったので、その際には美食を求めて街に繰り出した。
カウンターと座敷がある店内はいつも満席で、予約を入れて何とか席を確保。ふぐ、かに、懐石の3種類のコース料理が5,000円から用意されていていて、この日は5,000円の懐石コースにしてみた。港直送の瀬戸内の鮮魚を主人が直接買い付けに行くらしく、全5品、全ての抜群に美味しい。中でも特に気に入ったのがキンキの煮付けで、上品に味付けされた身がほろほろと口の中で崩れる瞬間はまさに至福のひと時だった。締めに登場したかに汁とご飯もご馳走の最後に相応しく、ほっと一息つかせる感じだった。上司と同僚はふぐ懐石を注文していたけれど、こちらも良かったとのことで、横目に見ていても雑炊は垂涎ものだった。コストパフォーマンスも含めて素晴らしい店だと思う。
「伊予ポジョ」という愛媛の地鶏を使った鶏料理の店。今年は地鶏というと比内地鶏の偽装表示の印象が強くてあまり良いイメージがないけれど、この店のものは結構いけた。あっさりしていて臭みがほとんどないのが特徴だと思う。骨付き若足の脂身のまろやかさと地鶏の刺身の鶏臭さのなさには感心。足には思わず手掴みでむしゃぶりついてしまった、ただ、残念なのが接客。上司と二人で話しながら食べていたのに、主人が遮って雑誌を見せたりしながらひっきりなしに店の自慢話をしてくる。無理やり「うまい!」とでも言わせたいのかと思うほどで、黙って料理で勝負して欲しいと思った。
松山にこんなに頻繁に通うのも恐らくは年明け3月頃まで。もう少しグルメ探求もして、せめて松山城には上ってみたい。
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